脳卒中(特にTIA)にならないために(その3)★ほおっておいたら一巻の終わりだった

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初稿2023年2月10日

<手術の概要>
ほぼ一週間の入院で(2月5日~10日)退院日は誕生日の2月10日でした
入院後の翌日2月6日にカテーテルとバルーン(風船)によるステントを患部に入れる手術が施されました
バルーンは針の先についており血管を広げステントを取り付けしやすくするもので、取り付け後は回収されます

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左の頸動脈はすでに詰まっており血流がない状態で、さらに図の幹部で示す脳幹への左頸動脈が右腕との分岐部でかなり細くなっています。ここの血流が止まると、全ての情報の関所である脳幹が機能しなくなり手足や内臓が機能しなくなるので、死にも至ります
右目の異常から各種検査によって早期に頸動脈狭窄症を発見することができたので大事に至りませんでした(そのままにしていたら、半身不随か即死は避けられなかったとのこと

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ステントの模式図

<2日目>
ICUでの所要時間は約1時間半でした
術後は3時間半の間は刺した動脈からの出血がないよう、身じろぎは一切できない体制でベッドにじっとしていなければなりませんでした
血液さらさらの薬とコレステロール低下の薬を服用してきたので、出血があるとなかなか止まらない状態でした
・バイアスピリン(抗血小板薬、血圧のコントロールが必要)朝1錠
・クロピドグレル(ADP酵素の働きを阻害する抗血小板薬)朝3錠
・アトルバスタチン(コレストロールを作り出す酵素の抑制)朝1錠
・エパデールS900(動脈硬化による痛み改善、高脂血症抑制薬) 朝夕1錠
・タグキャブ(胃酸分泌を抑え、アスピリン投与時の胃潰瘍防止薬)朝1錠

ステントを入れる時の要注意事項は、血流が早くなると血栓(プラーク)が脳に飛ぶことがあるため、血圧が高くならないように降圧剤を投与して血圧を安定的な120mmHG前後で手術します

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手術台での実際(まな板の鯉です)

手術は14時ころから始まり15時半ころに終わり目が覚めた後はICUでの面会が少し許されましたが、意識がボーっとした状態で何本も腕に管を付けられ19時までは身動きできない絶対安静でした
この日は朝から絶食絶水で、21時半にやっと水だけ飲めるようになりました
朝6時まではとても長い時間に感じられました
ICUには何人も患者さんが入っておりあちこちからモニターの電子音が聞こえてきます
血中酸素量、脈拍、血圧が設定の数値を外れると、モニターからピーポーピーポーと鳴り警告音を発します
最初は気にならなかったが、あちこちから聞こえてくる音が気になりだすとノイローゼになってしまうのではないかと、不安になりました
ほとんど寝付けない状態で、少し寝かかると手に巻いた血圧計が30分に一回のペースで膨らみ、それで起こされ、うとうとすると1時間単位で看護師が点滴のチェックやなんやかんやで起こされ、朝まで熟睡などできる環境ではなかった

ICUに入るときには指示された必需品のほか、
・耳栓(少しでもあの電子音から遠ざかるため)
・厚手の靴下やネックウォーマー(エアコンで足先や首回りが冷えます)
と思いました

ここの集中治療室には3種類あります
① ICU 最も重篤な患者が対象で2人に1人看護師が付きます
② SCU 脳疾患の患者が対象で3人に1人看護師が付きます
③ HCU それほど重篤でない患者が対象で4人に1人看護師が付きます
遅番の看護師さんは19-8時くらいまで完全徹夜で患者の看護をしてるようなので、抜けや間違いのないよう患者の時間管理をする重要は職務です
かなり重労働なお仕事で、患者の命を預かる若い天使様たちです、とても感謝に堪えません

<3日目>
長い長い夜が終わり朝の帳が下りたころ起こされ、検査が始まりました
待ちに待った朝食後、あのやかましいMRI、脳のレントゲン、血流検査(CT:ステントで血流がよくなるので血管に損傷などがないか調べる)を受けました

執刀医の回診があり、すべて順調な結果となっているとの報告を受けました
あらかじめ執刀医には、退院後すぐにギターを弾くので失敗なきよう、お願いしておきました
なんと執刀医(若く見える)もベーシストだということでしたので、なんとなく心強い気がしました

<4日目>
最後の検査は、頸動脈エコーです
これはMRIなどでは見えない首周辺の血流をエコーで調べます
前回経験した不愉快な造影剤を使う検査ではないので助かりました
患者の負担が少ないジュエルを患部に塗る超音波検査で被爆の心配もないです
カテーテルを入れた右足の付け根からバイ菌がはいらないように抗生物質の点滴を30分します

<5日目>結果報告
すべての検査が終わり、医師から術前・術後の画像を見せてもらいました
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図から分かるように右脳側の血流がかなり良くなっており右脳の働きが活性化します
右脳の働きは、イメージ脳、感覚脳、アナログ脳などと呼ばれ、デザインや音楽などの芸術的な活動や、アイデア・ひらめきなどを必要とする企画の仕事、学問的な研究や技術の開発などです
目の異常(二重にみえたり、カーテンがかかる黒内障)は暫く起きていませんので、心配はなさそうです
またあの辛かった血流検査の結果、脳梗塞はどこにも発生は認められなかった
10日には期待通り、天候は雨だけど晴れて退院です

<退院後>
今回使用したステントは、10年くらい前のものとは異なり金属としての反応はしない新しい素材で、一生交換不要でありノーメンテナンスだとのこと
ただし、MRIやエコーなどの血流検査はしばらくは定期的に受けることになります

<脳梗塞につながる頸動脈狭窄症の原因>
執刀医に脳梗塞の原因について知見を聞いてみました
喫煙、過度の飲酒、食べ物、運動不足などで血中の中性脂肪などが増え血液がドロドロになるというのはよく言われていますが、強い放射線(レントゲンは微弱)受けた場合にも、血栓ができやすいとのことでした
思い返せば13年前2009年に中咽頭ガンで右首に放射線治療を受け、それが今頃になって血栓の原因になることもあり得るという見解でした
放射線治療との偶然が重なり血栓をこの4年間で助長した主犯がコロナではなかったか、と思っています

大腸がんの時もそうでしたが、今回も早期発見で大事に至らなかったのは、とてもついていた・・・・・、と感じています
還暦を過ぎたら早期発見が元気で長生きする秘訣で、体のウォーニングを見逃さないことが大切です
いままで健康で病院通いしたことがない人にとっても”転ばぬ先の杖”の参考事例になれば幸いです

(結論) ガン治療の放射線とコロナ感染は後々の脳梗塞に注意
強い放射線治療のあとは血栓ができやすくコロナが助長する
★目の異常(二重に見える、カーテンができる)に気付いたら、頸動脈狭窄を疑う
★重篤な脳梗塞にならないためには早期検査が肝要(特にこれまで健康な人へ)

参考(関連する統計データ)
☆死因について 脳血管疾患(脳卒中)=くも膜下出血+脳内出血+脳梗塞

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☆厚労省の参考データなどから分かること
死因のトップはガンであるが、部位別にみると心臓や脳に起因するものが断トツである
脳卒中のなかで脳梗塞は高齢になるに従い急速に増加している
脳梗塞の原因には、高コレステロールや不整脈(心房細動などが原因)による血栓(プラーク)発生が主なものです
つまり脳梗塞は高齢者にとって加齢とともに発生する脅威的存在であり、健康なうちに飲食の見直し、適正な運動することで、予防保全しておくことが大切です
私も2月10日には72歳となり、健康寿命年齢に達しまたのでますます健康には注意して過ごしていこうかと、改めて思う次第であります

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入浴事故4593件のうち死亡した1528人は、119番コール、すなわち救急車の要請があった時点で心停止であった。発見された場所について、1461人が浴室内。それも浴槽の中での死亡が1274人とほとんどを浴槽の中が占めていた
これまで死因は、いわゆる「ヒートショック」と考えられ、暖かい居室から廊下、浴室と室温が下がっていく環境で服を脱ぐと、血管が収縮して血圧が上がり、直後に風呂につかって体が温まると、今度は血管が拡張して血圧が低下する
そのような“血圧の乱高下”によって心筋梗塞や脳卒中などが引き起こされるといわれてます
最近の調査では、浴槽で亡くなる事故が多いのは、湯船の中で熱中症になり意識障害や脱力感が起き、ずぶずぶと溺死してしまうことだとあります
夏だと熱いと汗をかきますが、熱い湯船だと汗をかいているのに気づかないで、いつのまにか熱中症になってしまっているのです

★認知症について
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認知症患者は2025年に700万人を突破。65歳以上の5人に1人
認知症患者の数は2020年時点で630万人と言われていますが、MCIと呼ばれる認知症の手前の方や、一人暮らしなどで医療機関にかかっていない、いわゆる”かくれ認知症患者”の方も含めると、現在ゆうに1000万人を超えていると予想されます
脳梗塞との関係は分かりませんが、ピンピンで老後を迎えたい方には一番気になる認知症ですが、家族など周りに迷惑をかけたくはないという思いは誰でもあるでしょう

☆認知症になりにくい生活習慣

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ご参考までに

72歳で生き返ったラッキーな私でした。

最後に
ご心配をおかけいたしましたが、無事に退院し、平常生活に復帰しました。