日別アーカイブ: 2016/01/27

今年の健康キーワード(その4)2016.1.27

12:30に手術室に入り、全ての準備が完了し10秒ほど経過した時に、美しく澄んだ声で
“戸田さん、おわりましたよ” 

目を開けると美しい二人の天使が私の顔を覗き込んでいました

ここは天国か?

まさにベンチャーズの名アレンジ”Ten seconds to Heaven”(パラダイス・ア・ゴー・ゴー)はここから由来してるのか、深い意味があったんだな、と勝手に解釈しました

時計は15:30なので正味2時間半でした

予定より早かったのは、腫瘍は血管を移植するには及ばなかったようでした

出血も100mlくらいだったので輸血もありませんでしたのでホッとしました

切除した部位は→コチラです(見たい人だけの限定です)

小さく丸く見えるのが腫瘍です(親指と人差し指を丸めたくらいの小ぶりです)

お腹を横にサインペンの長さぐらい、縦に鉛筆の長さぐらいの逆L字型の開腹でした

切断面は焼き、そのままの形で細胞分裂して増殖するものだそうです

数日前に読んだ「修羅走る関が原(山本兼一著)」の義の武将大谷義吉継の切腹と同じ型でした

当時は麻酔をしないでしょうからものすごく痛そうです

即座に首を介錯してもらわなければたまりませんね

肝臓の場合は術後大事をとり1日半ICU(集中治療室)で手厚い看護を受けます

ベッドは居心地がよく若くてきれいな看護師さんも安堵するような話しかけと丁寧な処置をしてくれたのが何より嬉しく思いました

しかし地獄の苦しみはこれから始まりました
前回大腸がんの時にも咳き込むとたいへん痛く、トイレに行くにもベッドの乗り降りにも往生したものでした
ある一定の角度でないととてもじゃないけど、ベッドから降りられません
まるで地球に宇宙船が戻ってくる時の、一定の入射角のようなものです

今回は脊髄から管を通してSPA(自己調節鎮痛法)が施されていたので、ベッドからの乗り降りはさほど苦痛ではなかったが、困ったのは粘っこい”痰”です
術後は痰が絡むのでそれを吐き出さないと息ができなくなるので、咳き込むときにいきみますが、そのときに激痛が走ります

実は次の夜(26日)はその咳き込みが100回くらいあったでしょうか、一晩中寝られませんでした
切ったところがパクッと開くのではないかと、心配してましたがそんな柔な手術ではないと看護師にいわれたのでまずは一安心

SPAで強く鎮静することもできたので、助かりましたが”ゼロゼロ”と痰が絡むのにはたいへん困りました
父と母のときも”ゼロゼロ”すると吸引機で処置をしましたが、看護師さんが強引に処置をするのをみていて、苦しそうだな、と思ってました

さすがに私も辛さに負けそうになり、夜勤の看護師さんに吸引機を依頼しましたが、自力で出せる患者には受け付けてくれませんでした

そんなこんだで昨晩は地獄の苦しみを受けましたがなんとか乗り切り朝を迎えました
医師の往診時に、痰について尋ねたら、起きて歩いて痰を出すしかないとのことでしたので、看護師に相談したら粘っこい”痰”を少しでも水っぽくするネブライザーを使わせてくれました
ネブライザーはぜんぞくの方が使うそうですが、たしかに幾分”痰”にも効果がありました

痛い話ばかりでしたが、これが現状です
なるべく、最先端の治療技術と看護の現状を知ってもらいたく報告をしております
がん治療はこれで3度目のベテランですが、これで次はないと確信しました
今日は、まだ体液排除のドレインとSPAをつけて歩き回っておりますが、明日あたりから外れる模様です

今回のは肝臓がんでなく大腸がんの親子だったとは知りませんでした
朝日新聞(1月26日)の「がん10年生存率をどう見る」を添付しましたのでご参考にしてください

押すと拡大されます

押すと拡大されます